盲導犬に思うこと

スタッフ通信

私は通勤に電車を利用しており、朝は広いので車椅子スペースの所によく乗車しています。

先日、いつもの場所に乗車していたところ、途中駅で扉が開き、ホームからぬうっと顔を出して盲導犬が入ってきました。
突然、腰の高さぐらいに大型犬(ラブラドールレトリバー)の顔が出てきて、一瞬固まってしまったのですが、すぐに「移動しなきゃ」と思い、歩き出したところ、すでに盲導犬は空いているスペースに向かって歩き出しており、他の人もいろいろな方向に移動したため、盲導犬は少し車内でうろついていました。

駅員さんの誘導もあり、車椅子スペースに落ち着いたのですが、次の駅に着く直前、盲導犬はスッと腰を上げて、座席に向かって歩き始めました。
席が空いたのです。(えっ?盲導犬ってそんなことまでできるの?)

盲導犬を連れた方が座席に座ると、その方の足の間にお尻を入れて盲導犬も座りました。
座った女性の方は決して足を大きく開いている訳ではありませんでしたが、盲導犬は身をすくめて、他の乗客の妨げにならないように小さくなっていました。
(大きい犬なのに、あそこまで小さくなれるんだ…足の位置は暖房が吹出しているのに大丈夫だろうか…)
いろいろ考えながら見ていましたが、盲導犬はとても穏やかな目をして座っています。

(なんて賢いんだろう)動物があまり得意でない私も思わず撫でたくなってしまいますが、盲導犬の体には「手を触れないで下さい」と書かれた物が付けられています。

盲導犬を見かけても、周りの人は以下のことを守らなければいけないそうです。

  • 声をかけたり、じっと前から見たり、口笛をならしたりしない。
  • 食べ物を見せたり、あげたりしない。
  • 盲導犬をなでたり、ハーネスを触ったりしない。
  • 自分のペットと挨拶させようと近づけたりしない。

<盲導犬協会ホームページより>

最近では、お世話が必要な盲導犬に代わり、人が行きたい方向に先導してくれるガイダンスロボットが施設等で運用されたりと、今後徐々にAIに移行していくのかもしれませんが、盲導犬の仕事ぶり・人との関わりを間近で見てしまうと、それも少し寂しい気がしてしまいます。

<文/栗原>